小さな話

個展開催中、よく質問されたのが「これは山田さんが書いたのですか」「何が書いてありますか」でした。

これは、本編でも書きましたが崖羅の呪縛の象徴なので、呪文、呪符です。ですのでそれらしい古文と言えば「今昔物語集」の「百鬼夜行」。古い着物をほどき、絹なので霧吹きをしてアイロンをかけるとパリパリっとしますから、そこに筆ペンで一発書きをしていきます。

ところが、途中で気づいたときには遅かった。「宇治拾遺物語」第二話を書いていました(笑)。

よくまっすぐ書けますね! と褒められたんですが、あまりに集中して書いたためなぜ絹布にこんな風に書けたのか自分でも覚えていません。(アブないな)


着物は、「着付け」る以前の普段着だという意味から、いつも襦袢を探して兵児帯ぐるりでおしまいです。

崖羅は女性「性」を持ちながらメンズ襦袢にメンズ兵児帯、なのに花魁みたいに前結び。最高ですね。

人間ならではの汚さや醜さの表現でもあります。着付けが美しけりゃ日本の文化ですとか、そういうの山田は嫌いです。

天使の羽根は、赤ちゃんに天使の羽根を着せて撮るベビーエンジェル用のものです。容赦なく2つ折りにして、スタッズを打ち、さらに虫ピンで写真に直接打ち付けています。 夢がないですねえ。 最高です。


まるで遠い昔に撮ったみたい、昭和の写真みたいと、みなさんおっしゃってくださいました。

狙い通りでしたね。 ですがこれ、パソコンで補正や加工をしての色合いじゃないんです。

私の大好きなペンタックスならではの設定、当日の天候などみながら撮りました。

ちなみにこの葛籠はお客様が開けて楽しむものでした。中には写真が色々入っていましたが、ご来場いただいた方だけのお楽しみということで♪ 

撮影場所はどこですか? と聞かれたのが肖像画シリーズ。実は個展会場で撮っています(笑)。黒い布の前で、照明機材はなくあの窓からの光だけです。なので撮影時間が午前9時から1時間くらいしかない。

ピアスは売約済みになりました。

この「赤ふち写真」シリーズも、どんな加工したんですか? と、ちょこちょこご質問いただいたのですが、実は・・・

白黒コピーなのでございます。

これを、水彩油彩でよく使う基本技法「水貼り」で木製パネルに貼ってます。

当然、水に耐えられる紙じゃないですので、ハゲるよれるなどしますが、そのまま貼って放置しますと・・・

なんとも言えない不思議な感じになります。

今回「写真展じゃありませんよ」と言っているのは、こうした遊びばっかりやらかしているからなんですね(笑)

花について。これは、フルール・ミュゲさまに探してもらった「アーティシャルフラワー」です。造花なんですが、プロ御用達のものです。さらに写真サイズに合わせて小さく加工してくださいました。昔、山田も造花のアレンジメントフラワーワークにちょこっと関わっていたことがありまして、造花のクオリティにはうるさいのでした。ガクの部分ははさみでうねりをつけ、手前により広がるようにしています。 なんかこの作品撮ってみたら、花が写真みたいで、手がナマモノに見えます。なんでだろ。怖い(笑)

フルール・ミュゲさまのネットショップはこちら → Fleur de Muguet~フルールミュゲ~

この作品はあまり注目されなかった(笑)。

艶子に、ノートを持ってもらって撮影し、現像してからノート部分の大きさを計ってフォトフレームを探しに行こうという、なんともざっくりした設計で撮りました。

現像してみたらノート部分がめっちゃ小さくて、一度ボツになりましたが、まあダメ元でとダイソーに行ったらジャストサイズが見つかったという。中にはこの写真をコピーしたものを入れて、「キクロンスポンジのパッケージ」現象を起こしています(笑)


そんなわけで、小さな話はおしまいです(#^.^#) みなさん、何度でもオンライン個展に遊びにきてくださいね。その度に発見があるかと思います。